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食養生で健康に

近年の日本人は、外見の″たくましさ″とは裏腹に、意外なほど″ひよわ″になっています。

確かに、以前より体格は向上していますが、健康面では昔の人とは比べものにならないくらいに悪くなっています。

かつて「一億総半病人」などといわれましたが、いまはその状態がより悪化しているのです。

たとえば、あるインターネットの健康調査では、「水虫に悩む女性が半数」という結果が出ています。以前では考えられないことです。

きれいなファッションに身を包んだ美しい女性が、実は水虫に悩まされているとは、実に漫画チックです。

しかし、当人にしてみれば深刻な問題です。

生活が豊かではあるものの、国内外で社会経済構造に変革が起きています。

それに伴い、昨今の社会変化、生活変化は大変な速さです。これでは、のんびりとした気持ちにもなれません。

いまは健康を保つには条件の悪い環境にあるといってもよいでしょう。

さらに、現在の日本は、先行きの見通しがはっきりしませんから、多くの人は精神的にもかなりの重圧感、ストレスを覚えているはずです。

一見、豊かな生活をおくっているように見えても、内実はかなり厳しい環境に置かれています。

また、健康というものは、必ずしも生活のレベルに比例するわけではありませんから、前述の水虫に悩む女性の増加もうなずけるところで、生活の豊かさが健康面に良い影響を与えているとは限らないのです。

そうした観点から考えたとき、科学(化学)の発達、豊かな食生活、快適な生活環境などは、 一見、素晴らしいものに見えますが、それらが真に健康に役立つものになっているかというと、単純には決められません。

場合によっては、便利さや見た目の快適さの裏側に、健康にとってマイナスの要素が隠されていることも多いのです。

薬に頼るより食養生に目を向ける

いまは、少しでも体調がおかしいと思うと、まず薬に頼る傾向が強いようです。手軽な方法で、とりあえず対応しておこうと考えるわけです。

本来、健康はどういうことで保持されているかという、本当に大切な点は置き去りにされています。

薬がふんだんになかった時代には、当然、薬を頼りにすることはできませんでした。

人々は日々、健康に留意して大病をしないように体調の維持に努めていたわけです。

つまり、健康保持の基本は、大昔もいまもまったく変わりはないということです。たとえば、鎌倉前期の歌人、鴨長邦げ『方丈記』に、こんな一節があります。

「つねにありき、つねに働くは、養生なるべし」

歩くことと働くことが健康増進になる――といっているのです。この一節を見ればおわかりのように、養生、すなわち健康の基本は、現在のようにパソコンや携帯電話などの先端機器がある時代でも、大昔と少しも変わっていません。

その点をもう一度、しっかり胸に留めておくことです。

また、養生のなかでも「食養生」は、いわゆる健康法というより、食べ物で病気を治す方法として古くから重視されてきました。

大昔の人は日常の体験から実に多くの「食の知恵」をもつていて、食物に秘められた偉力を活用していたわけです。

いまでも、健康診断などで異常があると、さまざまな食事制限を医師から指示されたり、カゼをひいたときなど、医師から「安静にして栄養のあるものをとりなさい。そうすれば、じきに良くなりますよ」などといわれたりします。

よほど特殊な病気でなければ、安静にして、バランスよく栄養をとり、体力を回復すれば、たいていは治ってしまいます

これが「食養生」です。

また、偏食は体調を崩す要因ですから、バランスのとれた食生活を心がければ、多くの不調は改善されるのです。

いまは何かというと薬に頼りますが、手軽に薬を入手できなかった時代は、ほとんどの人がこうした食養生で病気に対応してきました。

また、薬といっても今日のような化学薬品ではなく、動植物などのエキスを薬材とした″自然薬品″でした。今日でも、多くの人が利用している漢方薬は、その代表的なものです。

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