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梅の殺菌作用

梅干し・・・これは、日本人の食生活と切っても切れないものです。梅千は高齢者だけが好むものではなく、広い世代の人たちに人気があります。

海外旅行をしている人が、無性に梅干が食べたくなるという話もよく聞きます。

梅干し

日頃、梅などまったく興味のない若い世代の人たちも、好きな焼き肉料理や中華料理を存分に食べたあと、梅千を口にしているケースがあります。

誰に教えられたわけでなくても、なんとなく梅の効用を知り、体が欲するからでしょう。

梅の本は中国が原産地で、いまから千五百年ほど前に中国から伝えられたというのが定説になっています。

わが国最古の歌集『万葉集』には、梅花を題材とした歌が、桜を圧倒するほどたくさん収められています。

いまでは、日本を代表する花といえば桜ですが、大昔は梅の花がとても愛されていました。

厳しい冬の寒さにも負けずに咲く百花のさきがけとして、珍しい梅の花は人々の目を、心を、なごませてくれたからです。

花だけでなく、梅の実にも人々を引きつける大きな要素がありました。太古の社会では、梅の実は貴重な食薬品だったからです。

歴史の教科書にも載っている中国に派遣された小野妹子は帰国する際に鳥梅という梅を持ち帰りました。

烏梅

これは、青梅を藁や木の根の煙でいぶし焼きにして、天日干しで乾燥させたものです。でき上がるとカラスのように真っ黒になるので、鳥梅とかカラスウメと呼ばれるようになりました。

小野妹子が持ち帰った鳥梅は、21世紀の今も漢方薬の薬材として用いられ、下痢や吐き気止め、解熱、せき止めなどに活用されています。

東洋医学の原典といわれる『神農本草経』には、鳥梅の効能として「肺の組織を引きしめ、腸の働きを活発にし、胃を元気づけ、虫を殺す」と記されています。

日本でも、平安中期に出された、わが国最古の医学書といわれる丹波康頼の『医心方』に、梅干とともに鳥梅の効能が説かれています。

このように、梅の実は大昔から健康保持に役立ってきたのです。しかし、多くの日本人は「梅は体に良い」ということは知っていますが、何がどう良いのか、くわしくは知りません。

梅はすっぱいから体に良いのです。

有機酸の含有量は、あのすっぱいレモンより梅干、梅千よりも梅肉エキスのほうが、圧倒的に多いのです。

特に知っておきたいのはその強力な殺菌作用です。

梅の殺菌作用は凄い

私たちは、実にさまざまな菌に取り囲まれて生活しています。体調を整えるのに役立つ菌ならいいのですが、大腸が侵される急性伝染病の赤痢菌などの場合は困ります。

また、その悪影響がすぐに出るものと、それほど気にしなくてもいい菌もあります。

本当に健康なら多くの菌は恐れることはないのですが、共存してきた菌がときには、とても怖い悪菌になることもありますから、防御体制をとる必要はあります。

そうした怖い菌の一つに、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)があります。日本人なら四十歳以上の人の半数以上が保菌者だといわれています。

ピロリ菌は、胃や十二指腸の潰瘍を引き起こす菌です。胃ガンや胆道感染症、胆嚢に炎症が起こっている場合の胆嚢炎、胆管に炎症が起こる胆管炎などにも関係があるとされています。

通常、悪い菌を取り除くためには抗生物質を服用すればよいのですが、抗生物質を使うと、悪菌のピロリ菌だけでなく、善玉菌も殺してしまいます。

人によっては副作用が出たり、除菌後に再感染するケースもあります。

最近、このピロリ菌の殺菌に、梅肉エキスが強力な効果を発揮することが明らかになりました。

滋賀県立大学看護短期大学部の藤田きみゑ教授と、東京の三菱ビーシーエル化学療法研究室の長谷川美幸研究員らのグループが、胃腸病対策として民間療法で広く使われている梅肉エキスに着目し、ピロリ菌への抗菌・殺菌効果を実験して、その効用を発見したのです。

その実験結果は、簡単にいうと次のようなものです。梅肉エキスの溶解濃度が〇・一五%以上ならピロリ菌の発育を阻止し、通常の服用濃度に当たる〇・九%液だと五分以内に九八~九九%のピロリ菌を殺すということです。

梅肉エキス溶液に含まれている主成分のクエン酸が、効果を発揮したのです。この濃度〇・九%液というのは、通常の、 一日の目安量、大豆三粒分の梅肉エキスを、ぬるま湯一〇〇ミリリットルに溶かした濃度に当たります。

藤田教授曰く「梅肉エキスがピロリ菌に効くのは、経験上も間違いない。しかも梅肉エキスには、副作用がない」とのこと。

ピロリ菌は、胃や十二指腸の潰瘍を引き起こす要因となるだけでなく、胃ガンや胆道感染症などにも関係があるといいますから、日本の伝統的な食薬品である梅肉エキスは、実に力強い味方というわけです。

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